良いことずくめのように見えるボーディングスクールですが、デメリットとまではいいませんが、注意をしておかないといけない点がいくつかあります。
(1) プライバシーがなくなる 上級生になると個室を選択できるという学校もありますが、ほとんどの学校では二人、三人あるいは、年齢によっては四、五人と同じ部屋で寝起きを共にするので、完全なプライバシーを持つことは難しくなります。このためにちょっとしたトラブルに巻き込まれたり、あるいはトラブルを引き起こしたりというケースもなくはありません。 さらに、海外の生徒はかなりパワフルですので、寮内は皆さんが想像する以上に騒々しいと感じるでしょう。静かな環境で勉強をしたい、と思うときにこの騒々しさは苦痛に感じることがあるかもしれません。(現地の生徒たちもいつでもどこでも騒々しいわけではありません。例えば図書館など静粛にしなければならないところでは、大変静かです)
(2) 英語力がないと孤立する恐れがある 教師ならば、英語力がない留学生に対して、それなりの配慮をして助けの手を差し伸べてくれますが、現地の生徒にそれを期待することはできません。中には親切な生徒もいるかもしれませんが、大多数は自分のことで精一杯ですから、留学生の面倒まで積極的に見てくれるということを多く期待することは出来ません。したがって日常英会話は最低でもできないと、周囲がわざと無視をするわけでなくても、いやかなり周囲が気を配ってくれていたとしても、寮内で孤独感を強く感じることがあるかもしれません。 このため、多くのボーディングスクールでは、入学する前に語学学校などで英語の基礎力をしっかり身につけることを留学生に求めています。レベルの高いボーディングスクールであればあるほどこの傾向は強くなり、かなり高度な英語力がないと入学を許可してくれないという学校もあります。
(3) 学費が高額 ボーディングスクールはほとんどの学校が広々とした敷地で施設設備も大変よく整ってい、教師一人当たりの生徒数が格段に少ないなど理想的な教育環境を提供するためか、学費はどうしてもかなり高額になります。例外としては、ニュージーランドの公立校で寮設備を持つ学校か、アイルランドの郊外にあるボーディングスクールです。それ以外の学校は、学費は安いところで年間300万円、高いところになりますと600万円を超えるところもあります。
入学志望者に対し、多くのボーディングスクールは独自の試験を受験するよう求めます。試験は、そのボーディングスクールが認めた監督官の立会いの下で日本で受験することができます。英語力を判断する試験としては、大学と違ってIELTS やTOEFL のような試験ではなく、独自の英語試験が用いられます。それと数学(もちろん試験問題はすべて英語で出題され、辞書を使うことはできません)2科目のペーパーテストです。合格の基準は年齢によって異なり、年齢が高くなればなるほど、高度な英語力がないと入学は認められません。
イギリスのボーディングスクールの中にはEFL と呼ばれる留学生向けの英語の授業を必要に応じて行う学校もありますが、それでもEFLはあくまで補助的ですので、試験を受けて英語力が不足していると判断された場合は、入学前にスタディーセンターと呼ばれるボーディングスクールに付属している留学生のための準備校で一定期間学習しなければなりません。そこでは、英語、数学、理科などを学習するよう求められます。スタディーセンターも基本的にはボーディングスクールと同じ寄宿制で留学生は全員寄宿舎で寝泊りをして学習しますので、ボーディングスクールのシステムに慣れることが出来るというメリットもあります。 スタディーセンターはほとんどのケース、どこかのボーディングスクールの施設に付属されていて施設・設備を使用することが出来ますが、そのボーディングスクールに進学できる保障がない反面、他のボーディングスクールに進学することも自由にできます。
アメリカのボーディングスクールは入学志望者に対し、書類選考のみで入学を許可するところもありますが、多くの場合は書類以外に、TOEFL またはSLEP という英語能力を測定する試験やSSATという英語と数学の基礎学力を測定する試験のスコア提出を求めるようです。このほか、エッセイの提出や面接を求めるところもあります。
カナダのボーディングスクールは入学志望者に対し、書類選考のみで入学を許可するところもありますが、中にはTOEFL またはSLEP という英語能力を測定する試験やSSATという英語と数学の基礎学力を測定する試験のスコア提出を求める学校もあります。このほか、エッセイの提出や面接あるいは電話によるインタビューを求めるところもあります。
オーストラリアのボーディングスクールは入学志望者に対し、書類選考のみで入学を許可するところもないことはありませんが、少なく、ほとんどは一定以上の英語力があることを証明するよう求めます。その中で最も一般的な試験は、AEAS(オーストラリア・エデュケーション・アセスメント・サービスの略)と呼ばれるオーストラリアへの留学を希望する中学生・高校生の英語力を判定する試験ですが、実質的にこの試験を受験して入学を認められるケースはきわめてまれで、ほとんどは語学学校の高校入学準備コースへ入学するよう求められますので、受験する意味はほとんどありません。
私立学校や大学に付属するケースと語学学校の中に設置されているコースがありますが、どちらも12才〜18才くらいの生徒だけが社会人とは隔離された環境で、英語、数学、理科、コンピュータ、などを学ぶ他、スポーツや校外学習など息抜きできるプログラムもあります。 私立校などに付属する学校を選びたがる人が多いですが、語学学校でも長い歴史と経験を持つところは内容も充実しており、高校とのパイプもしっかりしているので、日本での成績があまり良くなくても、良い成績を収めて推薦されると、試験なしでも入学を認められるケースがほとんどです。
ニュージーランドの公立ボーディングスクールは入学志望者に対し、書類選考のみで入学を許可するところがほとんどですが、私立校の中には一定以上の英語力があること入学の条件としているところもあります。しかし、学校独自の英語試験を課すところが一部にある以外、ほとんどの学校では十分な英語力が身につくまで語学学校の高校入学準備コースへ入学するよう求めます。
アイルランドのボーディングスクールは入学志望者に対し、書類選考のみで入学を許可するところもありますが、中には一定以上の英語力があること入学の条件としているところもあり、入学前までに十分な英語力を語学学校などで養うよう求めます。
スイスやオーストリアのボーディングスクールは入学志望者に対し、書類選考のみで入学を許可するところがほとんどですが、中にはTOEFLや SLEPという試験を求める学校もあります。英語力の不十分な生徒には、サマースクールに参加して英語力を向上させることを求める学校もあります。